|
うつ病闘病記「西洋伝統療法の実践」 |
薬が合わず、一日中眠くなってしまいました。
医者に言って、パキシルから変更してもらいました。
抗うつ剤:アモキサン、ルボックスを1日3回服用しました。
ところが、この薬でもやはり気分が悪くなってしまったり、
下痢をしてしまったり、逆に便通がなくなったりと、なかなか体に合いません。
薬嫌いな親に育てられたこともあり、できる事なら
薬を飲まずに治したいと思うようになりました。
休職してもなお、薬を飲んでいる自分を認めたくなかったのかもしれません。
医者に相談したところ、効くまでに1ヶ月くらい時間がかかるから
やめない方がいいと言われました。 |
薬を飲み始めて2か月・・・3回薬が変わりましたが、どれも体に合わず、
日中はずっと眠くてウトウトしながら過ごしていました。
医者にはウツの辛さと同時に副作用の辛さも伝えなければならず、
毎週行っていた診察も、とても億劫でした。
診察がない日は、ずっと家にいました。
昼過ぎに起きだして、TVを見ながらラーメンを作って食べ、
夕暮れまでパソコンをやっていました。これは、体調がいい日の行動です。
体調が悪い日は、ベッドから起き上がれず、
起きあげれない自分に嫌気がさして涙が止まらなくなりました。
ふと会社のことを思い出すと心がぎゅっと苦しくなり、
日が暮れると心がぎゅっと苦しくなり、
寝る前に心が・・・と、何もしていないのにとても辛い1日を送っていました。
こんなに辛くなるなら死んでしまいたい、と、常に心のすみで死を願っていました。 |
12月になっても体調はあまり良くなりません。
医師のアドバイスで、生活のリズムだけは崩さないように気をつけていました。
社会復帰したときに余計な苦痛を増やさないために、起きる時間と寝る時間は
休職前と同じリズムを保つこと、気分のいい日は外を散歩するということです。
僕は、朝起きるのが特に苦痛で、昼過ぎまでベッドから出られませんでした。
それでも、体調のいい日は家事を手伝ったり、近所を散歩したりしていました。
近所を散歩していて、ふと高層マンションが目に入ったりすると、、、
「あそこまで登って、屋上の柵を乗り越えたら・・・この苦しみから抜けられる」
と具体的な自殺願望が湧き上がってしまい、打ち消すのに必死でした。
今だから伝えられる自殺しようとする人の想いですが、
死にたいというよりも、生きていることが、死ぬ苦しみの何十倍も辛いのです。
とにかく、「生きている辛さ」に耐えられない、死ぬしか選択肢がなくなっていました。
そんな時に思い浮かぶのが、自分を愛してくれる両親の顔や、
元気だったときに「何よりも大切だ」と伝えていた僕の恋人の顔でした。
彼らを悲しませないために、「生き続ける苦痛に耐える」と決心できたからこそ、
今僕はこうしてうつ病の闘病記を書いているのだと思います。
ある程度具合のいいときは、自分のうつ病との付き合い方を考えていました。
できる事なら、薬を飲まずに向き合いたいと思い、
学生時代に使っていたアロマセットを引っ張り出し、
ラベンダーやオレンジなど、一般的なアロマからアロマテラピーを始めました。
日中のうつ状態に対しては全く改善は見られませんでしたが、
少しづつ、安眠の効果を感じられるようになってきました。
進んだり戻ったりしながら、徐々に夜中目覚める回数が減っていきました。 |
医師と相談し、薬を欠かさずに飲むならば良いとのことで、本格的に
アロマテラピーに取り組みました。
うつ病の治療薬と違い、はっきりとした改善効果は見られませんでしたが、
安眠の効果は実感できました。
特にありがたかったのは、自分が自殺するリアルな夢から開放されたことです。
僕がよく見ていたのは、屋上から飛び降りる夢でした。
ビルの屋上から下を見ると、とても綺麗な花畑が広がっていて、
躊躇なく柵を飛び越え、吸い込まれるように落ちていく。
徐々に花畑が近づいてくる光景はとても美しく、開放的で気分が良い。
ところが、地面に落ちて自分の体が潰れ始めた瞬間、すごく後悔するのです。
・・・いつも、夢はそこまでです。
汗びっしょりになって飛び起きて、ほっとすることが何度もありました。
こうして、僕が実践したアロマテラピーは副作用もなく、
リラックスした日々を送れるようになってきました。
なにより、家にいて打ち込めることを見つけた事で、
ふと悲しく落ち込んだり、死にたくなったりする
ネガティブな思考が減ったことが、とてもありがたく思えました。
アロマテラピーと併用して、メディカルハーブもはじめました。
セントジョーンズワートという、古くからうつ病に使われているハーブです。
ルイボスティーに似た、ちょっとスッキリとした味で、好んで飲んでいました。
これを飲むと、不思議と曇っていた気分が晴れてくる感じがして、
ウツの波がきているときには、ガブガブとたくさん飲むようにしていました。
※セントジョーンズワートには即効性はないので、効いた気がしていただけです。
これを、プラシーボ効果といいます。
ただこの時期最も辛かったのは、
年末年始で親戚に会わなくてはならなかったことです。
うつ病である自分を見られたくないとはいえ、毎年欠かさず顔を出していた
新年会に欠席するわけにもいかないと思い(思い込み)、
無理やり笑顔を作って1日を過ごしました。
正月が終わってしばらくは、再びウツの波に飲み込まれて家にこもっていました。 |
|
|
|